西日本ジェイアールバス兼六元町 17:41

 

 
 

 
金沢随一の観光地は国内外の人がそぞろ歩いている。着物姿で写真を撮り合っているのはアジア系の人たち。シンボル的なスポットでは撮影の順番待ちである。
 
大人は多いが、子どもの姿はほとんど見かけない。
そういう場所に家族旅行で連れて来られた小学4年生の男子はすごぶるテンションが低い。大人たちが松の枝ぶりに感心している脇でつまらなさそうに砂利を足でならしている。
 
もっとも本物を見るのは後々に役に立つものだ。
庭園美を感じるのも芸術的な素養のひとつだし、学校の勉強よりも大切かもしれない。彼にとってはいい経験になるだろう。
僕も小学生の頃に水前寺公園(熊本)や栗林公園(高松)を訪れたことがある。が、もうなにも覚えていない。あれ?おかしいな…
 
彼が退屈してても写真は撮らねばならぬ。なので、ときどきふざけて彼の表情が変わる瞬間を撮る。
 
彼は攻撃的な遊びにはぜんぜん興味を示さない。幼い頃から撮っているが、彼の優しい性格は変わらないのだなと思う。
優しすぎて見ているこちらが心配になるけれど、彼なりに乗り越えてゆくだろう。
撮影で出会ったどの子も幸せに大きくなってもらいたい。