2018年5月18日金曜日

根室本線釧路駅 10:08



 
 
 
西日本では夏日だったというのに、道東は肌寒い朝である。カモメの鳴き声がビルの間に響いている。
街なかにある蝦夷桜が満開だ。5月4日に札幌で結婚式を撮影したときには散り始めだったから、釧路は札幌より2週間以上花が遅い。
  
今日は札幌へ移動する。釧路駅のみどりの窓口で、石勝線の追分から苫小牧に近い沼ノ端を回って千歳線で札幌まで、という乗車券を注文する。窓口氏は手元の紙に僕が言うルートをボールペンで描き、得心行ってから端末を操作する。そんな買い方をする客はおそらくいるまい。このルートなら特急券を買わなくとも今日中に札幌まで行けるからである。
  
一両きりのキハ40はエンジン音を上げて釧路を離れる。乗客は僕のほかに4人。そのうち1人は鉄道マニアっぽい旅行者だから、地元の人は3人だけになる。朝の通勤通学を過ぎた時間帯とはいえ、やはり少ない。列車はしばらく太平洋を見ながら走り、やがて十勝平野の真ん中へと進む。
  
帯広駅で3時間のインターバル。
駅南の総合スーパーに行くと、テナントが半分くらい撤退してしまってがらんとしたフードコートがあった。その一角にカレーショップ「インデアン」がある。福岡の「資さんうどん」や静岡の「さわやか」のように、十勝地方で知られたチェーン店であるが、まだ食べたことがなかった。
  
店のおばさんに、インデアンカレーくださいと言うと、「カレーひとつ」と注文を通しながら、「普通でいいですか」と確認された。辛さが選べるらしい。彼女は僕を帯広の人間ではなく旅行者と見て取っている。通ぶらないで普通にした。
  
出てきたカレーライスのどろっとしたルーは、バターを使っているのかコクがあるのにさらりと食べられる。まったくもたれることがない。飛び上がるほどではなく、ふつうにおいしい。家の鍋を持参すると、それにルーだけ入れて売ってくれるそうだ。週一で食べても飽きないだろう。
  
雨が降り出した帯広から新得へ行き、1時間待ち。
駅の待合室には土産物屋のような売店があって、新得町の特産品である蕎麦を使った商品を前面に並べている。
店の奥にはおばさんが所在無げに立っており、ときどき、チョコレートの箱を並べ直したりしている。明らかに暇をもてあましている。彼女に店は6時までですかと問うと、「7時まで」と答える。「お客さん、だあれもいない」と諦めたような笑みを浮かべて手の平を上にして肩をすくめた。
 
新得から新夕張までは特急「おおぞら」に乗る。この区間は普通列車が走っていないため、特例区間として特急券を買わずに乗れるようになっている。新得まで来た普通列車はどれもがらがらだったのに、特急は指定席も自由席も満席である。
  
「おおぞら」は雨の中を快調に走っていたが、途中の信号場で抑止。すれ違うはずの下り特急が来ない。途中でシカとぶつかったらしい。衝撃で機器が壊れて自走できなくなったりしたら山の中に閉じ込められてしまう。少しやきもきしていたら、ようやく対向列車がやってきた。「おおぞら」は25分遅れで新夕張に着く。
 
山間の闇に沈む小さな駅から、煌めく都会札幌まではあと2時間。
 

 







































2018年5月17日木曜日

東京国際空港 17:18

  
 

  
お子さんがインフルエンザになってしまったそうで、明日の釧路での撮影が一週間前にキャンセルとなった。
  
仕方のないことなのでキャンセルはよいのだが、こういうときに飛行機の早割チケットは具合が悪い。キャンセル料金が7500円かかってしまう。キャンセル料を払って東京→札幌の航空券を買い直すより、行程を変えずに釧路経由で札幌を目指すほうが安い。というわけで、用事もなく釧路へ行く。

なに、明日はめったに乗る機会のない根室本線の鈍行で旅ができると思えばよいのだ。楽しみだなあ……。
 
 


 

2018年5月16日水曜日

東京都荒川区南千住 19:15



 
 
 
一日ホテルで画像処理。
夜になって会社員時代の先輩と飲むために松戸まで行く。南千住からだと10分くらいなのでラクでいい。
  
 
 
7月に七五三撮影をしたいという問合せメールをいただく。
写真を撮るのが目的なので、神社には参拝しなくてよいらしい。
 
それならばフォトスタジオで撮影したほうがよいと返事を出す。
暑くて蚊も多いその時期に、わざわざ外で着物を着て撮影するのは子どもにとって苦行でしかない。
嫌がる子どもをなだめすかして笑わせようとする親も疲れる。空調の効いたおしゃれなスタジオで撮るほうが無難です。
 
子どもの写真を撮ろうとするとき、景色のよさや時間を気にする人は多いけれど、肝心の子どもの気持ちのことは忘れがちである。小さな子どもに「撮影だからがまんして(がんばって)」は通じない。ついでに言うと、「かわいい(かっこいい)写真撮ろうね!」もまったく効果がありません。
 

2018年5月15日火曜日

首都圏新都市鉄道守谷駅 19:58


 
 
 
日陰にいないと熱中症になりそうな暑さである。まだ涼しさを保った風に救われる。
 
「とある日」を朝から撮る。
朝の1時間、ママは常に動いている。1分とじっとしているときがない。子どもを保育園に送ってそのまま出勤する。
 
小学4年生を筆頭に三人姉妹は自由だ。ママの指示を行動に移すのは10回に1回くらい。それでもママは怒ることなく辛抱強く何度も言う。それでいいと納得されているのかもしれないが、僕だったら3回くらいで声を荒らげてしまいそうだ。彼女のほうが人としての器が大きいのだろう。
 
この撮影ではいつものことだが、夕食までの時間は果てしなく長く感じる。子どもたちがようやくテレビを消して食卓につくと僕がほっとする。ここまできたら撮影はもうすぐ終わりなのだ。しかしママは、これから子どもたちを風呂に入れ、明日の準備をさせて寝かしつけなければならないわけで…
 
「わちゃわちゃしててすみません」とママは言う。が、僕はその収拾のつかない日常を撮りに来たのである。
毎日繰り返されるまとまりのない一日は、おそらく家族の誰の記憶にも残らない。けれども家族の歴史には間違いなく、その「とある日」がある。
 
 
今日の「とある日」の写真はこちら。
https://www.miharayuu.com/toaruhi20180515
 
撮影家族をゆるく募集しています。詳しくはこちらのページをご覧ください。
https://www.miharayuu.com/toaruhi

 

関東鉄道守谷駅西口 13:38



 
 
 
「バスが完全に止まってから席をお立ちください」というフレーズはバスに乗るとよく見たり聞いたりする。
そんなまどろっこしいこと言われたくない。バス停に着いたらさっさと降りたい、そう思う人は多いのではなかろうか。かくいう僕もその一人でした。すみません。
 
運転士が口を酸っぱくして言うのは、やはり理由があるのだ。
 
飛行機の離着陸時に必ずシートベルトを締めるのは、飛行機のフライトの中でそれが一番危険な状態だからである。
バスも同じように、発停車するときが乗客にとって一番危ない。
  
ゆっくりとバス停に着く直前に、歩道を走っていた自転車が突然車道に降りたとする。運転手は当然急ブレーキを踏む。
バスの低速時のブレーキ制動力は普通自動車の比ではない。吊り革につかまっていたとしても、体が前に投げ出されるほどだという。もし乗客が降りようと立ち上がった瞬間だと、想像したくない結果になる。
  
自転車という間接的な原因であっても、車内で起きた乗客の怪我は運転士の過失である。免停になれば運転士の生活に即座に響く。
  
と、いうことを僕は「かしけん」さんのツイートで知った。@Kashiken_N


はじめは面白いバス運転士さんがいるなあと思ってフォローし始めたのだが、バス業界について建設的な意見を述べられていてためになる。そしてその彼にメッセージを送って、乗務するバスにお客さんとして乗ってきた。
  
彼は丁寧にハンドルを動かし、路線の全停留所を口頭でアナウンスする。
終点に着いて、今日が10連勤目だという彼は疲労が抜けない顔をしている。
乗務時間は法律で決められている時間内だが、朝から夜まで約14時間拘束だという。勤務時間が長いのに、給料は低く抑えられており、離職する人が後を絶たないという。だから、どこのバス会社も常に運転士を募集しているのか。
  
さいきん、バス乗務の点呼で疲労度を確認するように義務化されるというニュースがあったが、「疲れてますか?」と聞かれて「はい」と素直に答える運転士はいないだろう。バス会社の責任を運転士に転嫁させるような施策に思えてならない。
 
いずれ実質的に運転士が足りなくなると、バス会社は路線の減便や廃止に向かうことになろう。
給与体系や勤務実態を抜本的に見直す必要があると思うのだが、国交省の動きは鈍い。
  
 

 

2018年5月14日月曜日

東京都荒川区南千住 19:06



 
 
 
爽やかな五月晴れの一日であったが、ホテルにこもってひたすら画像処理。
息抜きのように晩ごはんの買い出しに出かける。
 
南千住駅東側にはショッピングモールがあって、その先に高層マンションが林立している。
子どもを連れて買物に来た人たち、帰宅する人たちで通りはさざめいている。
 
スタジオジブリの「おもひでぽろぽろ」に、昭和40年代初頭(1966年)の商店街をゆく主人公を描いたシーンがあって、買い物客が行き交う夕暮れ時の通りは、今では一部の都会でしか見られなくなってしまったが、かつてはどこの地方都市にもあった普通の情景だったろうと思う。それから50年足らずで、個人商店が軒を連ねる通りはシャッター街と呼ばれるようになった。

今から30年後の子どもたちは大人になってここから離れるだろうし、家路を急ぐサラリーマンは退職してマンションに引きこもるだろう。今、賑わっているショッピングモールが30年後にどのようになっているのか、想像するに難くない。
変わってほしくないけど、変わってしまうんだろうな。
 

2018年5月13日日曜日

常磐線金町駅 15:50 



 
 
 
西から雨雲が来ているのを知っていたのに、うっかりホテルの傘を持たずに出てしまった。
初節句の赤ちゃんの写真を撮った帰り道は本格的に降っていたが、途中で傘を買うのも悔しいのでそのまま濡れて帰る。

雨でも晩ごはんは暢達しなければと、南千住に着いて駅前のスーパーで買物。
レジのおばさんは僕の両肩に提げたカメラバッグをちらりと見やると、カゴの中の品物を黙って袋に入れてくれる。お礼を言うと、おばさんは「雨降ってるけど大丈夫?」と聞く。
 
濡れるのは仕方のないことであるし、後で乾かせばよい。濡れて風邪をひくような寒さでもない。
それよりカープの試合が雨で中止になってしまって残念。広島も雨なのか。